バランス釜から給湯器へ変更する際の注意点
① 給湯器を設置する場所を確認する
給湯器が設置できる場所は、大きく分けて4つあります。
・共用通路
・浴室
・お部屋の中
・バルコニー
この中で、設置できる場所がどこになるかを確認します。
物理的に設置できる場所がいくつかある場合でも、設置する場所によっては給湯器の形状が変わってきます。
形状が変わってくると、給湯器そのもののお値段もタイプによって変わります。
バルコニーに設置出来るようなタイプであれば7~8万円程度になりますし、浴室に設置するようなタイプであれば20万円程度のモノが一般的になります。
設置する場所によって、形状やお値段が変わってくることは把握しておきましょう。
② 給湯器から各水回りまでの距離考える
給湯器から各水回りまでの距離は重要になってきます。
給湯器から給水口までの距離が長いと、以下のようなデメリットがあります。
・工事費用が高くなる
・水からお湯への切替りに時間がかかる
給湯器の設置場所がいくつか選択出来る場合は、給水口までの距離が短い方が工事費用を安く抑えられる可能性があります。
また水からお湯への切替りに時間がかかってしまうと、入居者への満足度に影響が出てしまいます。
どこに設置すれば住みやすく使いやすいかという点で考えることも大切です。
バランス釜のリフォーム費用について考えるべき2つの視点
今回、ご質問してくださったのは、不動産経営をされているオーナー様ではなく、オーナー様向けにリフォーム提案をしている不動産会社のスタッフの方になります。
質問内容
築古物件のバランス釜を給湯器に交換する際に、ユニットバスごと交換した方がいいのか、それともユニットバスは交換せずに工事費用を抑えた提案をすべきですか?
一般的に、築古物件にはバランス釜が設置されているケースが多い傾向にあります。
20代や30代の世代の方の中には、利用したことがないという方も多く、物件のお部屋に設置されていることで不人気物件になってしまっていることもあります。
そのため、バランス釜を給湯器に交換するリフォームを希望される方も多くいらっしゃいます。
この際、当然ながらユニットバスを交換すると見栄えが向上しますが工事費用が割高になります。
一方で、ユニットバスを交換しなければ、工事費用を抑えることができますが見栄えが劣ってしまいます。
これらのことから、提案する際に判断が難しくなってきます。
考えるべき2つのポイント
① あと何年この物件から収益を得たいのか
② 高価格帯の賃料を得ることができるのか
① あと何年この物件から収益を得たいのか
オーナー様によっては、物件について数年後に建て替えを検討している場合や、出来る限り現状の形で長く収益を得ていきたいという考えや、先のことは特に考えられていない場合など、考え方は様々です。
物件の構造やオーナー様の置かれている状況や将来のビジョンなどで、提案すべき答えは変わってきます。
そのため、提案相手となるオーナー様の物件に対しての考えを把握しておくことは大切になりますので、ヒアリングをしてオーナー様の考えを確認するようにしましょう。
例えば、物件が鉄骨造の場合。(動画で紹介しているお部屋)
・軽量鉄骨の耐用年数は27年
・重量鉄骨の耐用年数は34年
・RC造の耐用年数は47年
動画でご紹介しているお部屋になりますが、築41年の重量鉄骨の物件になるため、耐用年数は過ぎている状況でしたが、建替は当面検討しておらず、現状の形を長く維持したいという考えのオーナー様でした。
そのため、イメチェンで2年間で投資回収出来るプランでリノベーションを行いました。
注意事項
高額なリフォームをしてしまうと、投資回収に時間がかかり過ぎます
耐用年数が過ぎているため、高額なリフォームには注意が必要なため、ユニットバスは交換せずに工事費用を抑えることを選択しています。
もし、築30年のRC造の物件であれば・・
提案内容は変わってきます。
RC象の場合、耐用年数が47年になりますので、築30年であればまだ残り約20年ほどありますし、それ以降も維持することを想定した場合、ユニットバスに交換して物件の価値を上げておくことも検討してもいいかもしれません。
以上のことから、あと何年くらいこの物件から収益を得たいのかをオーナー様にヒアリングすることで、提案内容も変わってきますので、確認するようにしてください。
② 高価格帯の賃料を得ることができるのか
ある程度お金をかけてリノベーションをしたとしても、新築物件と同等の賃料が取れるかというと厳しいのが現状です。
しかし、立地や物件のグレードによっては、ある程度お金をかければ築10年から15年程度の物件であれば、戦える物件は出てきます。
例えば、エントランスにオートロックが既に設置されていたり、エレベーターがあってRCの物件で外観も綺麗であるなど、ある程度条件が揃っている場合、戦える物件として見ることもできます。
このような物件の場合は、お金をかけてユニットバスも含め交換してもメリットもあるのではないかと考えられます。
築年数が耐用年数を超えているような状況であれば、中々そのような判断は難しいかもしれませんが、1つの判断基準として築年数10年〜15年程度の他の物件と戦える物件かどうか考えてみることで判断もしやすくなるのではないかと思います。