この記事の監修者 篠原 昌志
(株)ココテラス代表取締役/一卵性の双子/山口県出身/職人・施工会社が薄利というリフォーム業界の悪い収益構造改革をする事を目標に、定額制リフォーム「イメチェン」のFC本部を運営。
現在全国37拠点で展開中。リフォーム事例を紹介するYouTubeのチャンネル登録者は1.5万人。
賃貸経営や不動産投資を行っていく中で、気になる事の1つに「空室率」があります。
所有している物件の空室が続けば、当然ながら家賃収入も入ってきませんので、収益がなくなってしまいます。
そのような事から、空室率の動向をチェックされているオーナー様も多いのではないでしょうか。
住宅の空室率、空室戸数は年々増加傾向にあると言われており、賃貸住宅に関しても同じ状況にあります。
これからの空室率がなぜ上昇していく傾向にあるのかについて紹介していきます。
空室率が上昇する理由とは?
インターネットで不動産会社のポータルサイトを検索すれば、物件情報は沢山出てきます。
物件の豊富さを感じる一方で、築年数が古い物件や物件の条件がよくないものなど空室が長期化しているものもあります。
そのような中、実際に空室率はどの程度なのでしょうか。
平成25年のデータ(出典:公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会 都道府県別「民間賃貸住宅(共同住宅)戸数・空き戸・空き室率」)になりますが、賃貸物件の全国の空室率は22.7%と発表されています。
首都圏や地方都市などエリアによって数字は変わってきますが、およそ4部屋のうち1部屋は空室というような状況です。
およそ4部屋のうち1部屋は空室という現状があるわけですが、なぜこのような状況なのか時代背景から考えてみましょう。
空室率は、世帯数の数と賃貸住宅の数によって算出することが出来ます。
賃貸住宅は全国に1200戸以上あり、賃貸住宅に住むと想定される世帯数は約900万世帯です。
世帯数よりも物件の数の方が多ければ、単純に空室率は高くなります。
平成27年度の国勢調査では、初の人口減少が確定したと発表され国内の人口は減少傾向にあります。
その一方で、世帯数は緩やかに増加してきています。
これは、結婚の平均年齢が高くなってきていることや、熟年離婚が増えて核家族化がすすんでいることが理由に考えられます。
このように人口は減ってきていますが、世帯数は緩やかに伸びてきているのが現状です。
しかし、世帯数に関しても株式会社野村総合研究所の発表では(出典:日本の不動産投資市場2018)2023年をピークに減少傾向になると言われています。
賃貸住宅の件数というと、こちらも株式会社野村綜合研究所の発表では(出典:日本の不動産投資市場2018)、賃家の新設住宅着工戸数は年間約42万戸とされており、前年と比べても高い水準で推移しています。
今後、世帯数についてはいずれ減少傾向に向かうとされていますので、新築竣工件数とのギャップも大きくなっていくのではないかと考えられます。
今年の4月に、新たな在留資格「特定技能」を新設する改正出入国管理法が施行されました。
これは、ある一定の能力がある外国人に対して人材不足が深刻とされている14業種を対象に日本での就労を認めるというものです。
5年間で約34万人の外国人の受け入れを見込んでいると言われています。
このような法律の改定は、不動産業界にとってはプラスな情報とも捉えることができます。
国内の人口は減少傾向にありますが、5年間で約34万人ですので、年間で約68,000人の外国人労働者が増える事になります。
国内のどこのエリアに外国人労働者が住むかは明確ではありませんが、それでも一部の都市や地域で外国人労働者が増えることでその地域の空室率が下がることも考えられます。
まとめ
国内の人口は減少傾向にあり、一方で外国人労働者は増加していきますが、年間約40万件の新築物件も同時に誕生していることを考えると、空室率が劇的に下がっていくとは考え難い時代と言えます。
しかし、だからこそマーケティング調査をしっかりと行うことで空室対策として何が必要なのか対策を考えることが出来ます。
時代の動きは激しいですが、このような動きに備えた賃貸経営をしていくことが大切です。
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