この記事の監修者 篠原 昌志
(株)ココテラス代表取締役/一卵性の双子/山口県出身/職人・施工会社が薄利というリフォーム業界の悪い収益構造改革をする事を目標に、定額制リフォーム「イメチェン」のFC本部を運営。
現在全国38拠点で展開中。リフォーム事例を紹介するYouTubeのチャンネル登録者は1.5万人。
今回は、塩ビタイルを賃貸物件で使用するメリットとデメリットを解説します。
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フロアタイル(塩ビタイル)とは?
フロアタイルとは塩化ビニル製の素材でできたタイル状の床材で、サンゲツが販売している商品名です。
一般的には「塩ビタイル」と言われ、賃貸住宅のリフォームやDIYでよく使われる製品です。
表面は硬く傷が付きにくく、耐久性に優れています。
「塩ビ」はポリ塩化ビニルの略で、一般的な合成樹脂(人為的に製造された、高分子化合物からなる物質)の一つで、クロスもクッションフロア(CF)もポリ塩化ビニルから作られています。
塩ビタイルは元々店舗内装で使われている製品の為、土足にも対応しています。
厚みは2.5mm~3mm程度なのでカッターで切る事ができ、既存フローリングの上貼りが可能です。
クッションフロアとフローリングとの違い
比較 | クッションフロア | 塩ビタイル | フローリング |
厚み | 1.8mm | 2.5mm~3mm | 12mm |
素材 | ポリ塩化ビニル | ポリ塩化ビニル | 合板 |
表面 | 柔らかい | 硬い | 硬い |
デザイン | 多い | 多い | 少ない |
くぼみ | くぼみやすい | くぼみにくい | くぼみにくい |
耐水性 | ◎ | 〇 | △ |
耐久性 | くぼみやすい為退去の度に張替必要 | 高い | 高い |
床暖房 | 不可 | 不可 | 可 |
フローリング上貼り | 可 | 可 | 不可 |
部分張替え | 基本不可 | 可 | 不可 |
入居者人気 | △ | ◎ | ◎ |
価格(材工) | 2,000円~3,000円/㎡ | 4,000円~5,000円/㎡ | 4,000円~10,000円/㎡ |
クッションフロア(CF)やフローリングと比較される塩ビタイルは、特徴や価格が異なる他、大きな違いとしては厚みです。
クッションフロアの厚みは1.8ミリ程度で、非常に弾力性があり、表面を指で押すと凹むほど柔らかい素材になっています。
塩ビタイルは2.5ミリ~3ミリ程度の厚みです。
弾力性があり、表面は非常に堅く傷が付きにくく耐久性に優れています。
耐久性で比較すると、クッションフロアよりも塩ビタイルの方が優れていると言えます。
例えば、冷蔵庫やソファ、テーブルなどを長期間お部屋に置いていた場合、塩ビタイルだと表面が堅く傷が付きにくいため脚の跡などがのこりません。
クッションフロアの場合は、非常に弾力性があり表面を押すと凹むような素材のため、冷蔵庫やソファーなどを長期間置いていると脚の跡が残りやすく傷もつきやすいです。
その一方で、防水性に優れているのはクッションフロアです。
例えば、トイレや脱衣所の床など水で濡れてしまうところは塩ビタイルではなくクッションフロアにした方が良いでしょう。
クッションフロアは耐水性がありますので水に強く汚れも簡単に拭き取ることができます。
しかし、通気性の悪さがデメリット。床下に湿気がたまるなどしてカビの原因に繋がることもあるため注意が必要です。
塩ビタイル(フロアタイル)のデメリット
ここからは塩ビタイルのデメリットを3つご紹介します。
塩ビ素材は熱すると膨張してしまうため、床暖房がついている物件では使わない方が無難でしょう。
ボンドで固定はしますが、膨張し突き上がる可能性が高いです。(電気マット程度であれば支障はありません)
薄い素材の塩ビタイルは、防音性が低いという特徴があります。
分譲マンションでは防音の基準が管理組合によって定められているケースが多く、防音性を高める上では向かない製品です。
夏は問題ないのですが、冬に塩ビタイルの上を素足で歩くと非常に冷たく感じます。
塩ビタイル(フロアタイル)のメリット
塩ビタイルのメリットを3つご紹介します。
通常フローリングの色の種類は7色~8色程度ですが、塩ビタイルは木目調、石目調など数百種類に及びます。
デザイン性の高いお部屋を作る際や、他物件との差別化を図りたい際はおすすめと言えます。
厚みが2.5mm~3mm程度なのでカーターで切ることができます。
例えば、タバコが床に落ち焦げたとしても、焦げた箇所のみの部分張替えが容易できます。
【結論】塩ビタイルは入居退去が繰り返される賃貸住宅には適した製品
塩ビタイルは、賃貸物件であれば非常に相性の良い部材だと思います。
種類が豊富でメンテナンス費用が安価で済みます。
2年~4年で入退去が繰り返される賃貸住宅では、退去後の原状回復工事を安価に済ませられるか否かも重要なポイントですよね。
また、塩ビタイルはクッションフロアより入居者の反応も良い為、物件力をアップさせる上でコストパフォーマンスの高い製品と言えます。
傷が気になるお部屋や空室が続いているお部屋に塩ビタイルを活用してみてはいかがでしょうか。
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